メキシコのランドリールームから

メキシコに戻ってきて早1ヶ月半!あっという間に過ぎていきます。3ヶ月間日本に滞在したことによって、最近はメキシコを冷静に見れるようになったなぁ(笑)とつくづく思います。

 

今日はメキシコのランドリールーム(洗濯場)について紹介。ランドリールームと言っても、メキシコのは、たいてい外にあります(私が住んでいるのが田舎都市だから外にあって、都市部では異なるかもしれませんが...)。f:id:hirorino183:20191119051349j:plainこんな感じに昔ながらの石でできた洗濯板(台)と大きな水桶が一体になっていて、立って洗濯物ができるようになっています。

日本では、明治(めいじ)~昭和の中ごろまで洗濯板とたらいを使っていたそうです↓

f:id:hirorino183:20191119053535p:plain相模原市 洗濯(せんたく)をする道具 より引用

 

そして、電化製品店に行くとこんな洗濯機が売ってます↓

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 初めて見た時は、洗濯機だと思わず「これはなんだろう...」と考えました(笑)手動でフタを持ち上げて開けて、洗濯機だと分かりました(笑)これらは電動だけど、日本で昭和のはじめごろに使わられていた手回しの洗濯機と同じ仕組み(水は手動で入れる)↓

 f:id:hirorino183:20191119054735p:plain相模原市 洗濯(せんたく)をする道具 より引用

 

我が家にはもちろん普通の洗濯機があります。そのうえ、汚れがひどいときや、襟足や袖口のしつこい汚れには昔ながらの洗濯板が大活躍してくれてます。

 

今回の一時帰国の時に友人にその話したら、日本でも洗濯板がテレビで紹介されて話題になっているよ、と教えてくれた。特に運動部のお子さんを持つお母さんたちが靴下や土汚れなどを落とすのにも役立っているとか。

 

 

 

昔ながらの洗濯板。使ってみるとやっぱり昔ながらの方法は素晴らしいな、って思う。余計な水も使わないで済むし、漂白剤も使わずに少量の石鹸でちゃんと汚れが落ち、洗濯機では落ちない汚れも落ちる。

 

 

メキシコに住んでいなかったら洗濯板の良さに巡り合ってなかったかも、と思うと違った環境に住むことで本当に色々学ぶことが多い。

 

メキシコは日本とは別世界だな、って日々感じます。些細な洗濯事情だって、日本とは全く違う。こっちでは洗濯機を持っている家庭の方が少ないとも聞いたことがあります。洗濯機を知ってしまった私からすると、全ての洗濯物を洗濯板ですると考えるだけで、ものすごい労力。

メキシコでは裕福な方の家庭で生活しているから、当たり前に洗濯機があるけれども、日本で言う戦後(?)という貧しさを日々目の当たりにします。ただ、この国の人は、それを貧しさとは思わない。大家族やアミーゴ(仲間)と支えあって、歌って踊って今日さえ楽しければ。という感じ。

 

何年か前に読んだメキシコ人漁師とアメリ人投資家の話をたまに思い出す。

原文はこちら

有名な話なのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、和訳してみました(日本語がおかしいとこは多めにみて下さい🥺)↓

 

あるアメリカ人の投資家がメキシコの小さな漁村の埠頭にいたときに、小さなボートに乗った一人の漁師が戻ってきた。ボートの中には数匹のキハダマグロが釣られていた。そのアメリカ人はメキシコ人に魚の品質を褒め、釣り上げるのにどれくらい時間がかかったのか尋ねた。

メキシコ人は答えた、「ほんの少しの間さ」

アメリカ人は尋ねた、「何故、もう少し長く続けてもっと魚を釣らないのかい?」

「これだけあれば、家族が食べるのには十分だ。」とメキシコ人は答えた。

アメリカ人はまた尋ねた、「でも、君は残りの時間は何をするんだい?」

メキシコの漁師は答えた、「朝はゆっくり目を覚まし、少し釣りをして、子供たちと遊び、妻のマリアと昼寝をし、夕方には村を散策しワインを味わい、アミーゴ(仲間)とギターを弾くのさ。それで人生は一杯で忙しいさ。」

アメリカ人は小馬鹿にし、
「私はハーバード大MBAを取得してて、きっと君を助けることが出来るさ。君は、もっと釣りに時間を割いて、その収益で大きなボートを買うべきだ。大きなボートでまた釣りをして、その収益で今度はボートを何台も買うのさ。次第に、君は漁船の一団を率いるようになるだろう。そして釣った魚を仲介者に売る代わりに、製造業者に直接売るのさ。次第に、君は自分の缶詰工場を始めるようになるだろう。君は製品・生産・配給量をコントロールするようになる。この沿岸の小さな漁村を離れてメキシコシティに引っ越す必要が出てくる。それからロスアンゼルスへ引っ越し、次第にニューヨークシティへ移り、君はこれまで拡大してきた君の企業を運営するんだ。」

メキシコの漁師は尋ねた、「でも、それには一体どれくらいの時間がかかるんだ?」

それに対し、アメリカ人は答えた、「15〜20年さ。」

「で、それからどうなるんだ?」メキシコ人は尋ねた。

アメリカ人は笑って言った、「時が来れば、君は株式公開をし、君の会社の株を売って、大金持ちになるのさ、億万長者に。」

「億万長者?…で、それからどうなる?」

アメリカ人は言った、「それから君は引退して、小さな沿岸の漁村に引っ越し、朝はゆっくり目覚め、少しだけ釣りをして、子供たちと遊び、妻と昼寝し、夕方には村を散策し、ワインを味わい、アミーゴとギターを弾くのさ………」

 

 といった話。

 

私の義両親はメキシコの海沿いの町にホテルを経営しています。週末はそこで過ごすことが多いのですが、そこに行くとつくづく思う。まさにそこに住むメキシコ人たちは上の話のよう生き方だなって。

 

人の価値観はそれぞれ違う。お金の価値観だってもちろん違う。

大切なファミリアやアミーゴがいて、のんびり暮らしていけば、それでいいのさ。明日ではなく、今日を生きる。素晴らしいことだと思う。人生はお金ではないし、現代人はお金に惑わされ過ぎている。特に先進国に住む私たちはお金、お金。生きていくことは、お金に追われることともたまに思える。

 

うまく説明できないけど、ゼロウェイストに出会ってからは、人生はもっとシンプルでいいんじゃないかな、って思う。だからと言って、メキシコ人漁師のような生き方をしたいとは思わない。

私たち人間は、目標を持ち、それに向かって努力することのできる動物で、努力し、成功することによって達成感、満足感というものを味わうことができる。そしてその後に飲むビールが最高に美味しかったり、その後に取るヴァケーションが最高に楽しいのだ。

そして、それは毎日アミーゴと飲むワインよりもずっと美味しいと私は思う。少なくとも私はそんな生き方をしたい。