身体にも環境にも優しい洗濯を始めませんか① 〜洗濯の見直し〜

7月はプラスチックフリージュライと言うことで、プラスチックフリーに生活する為のヒントにやアイディアについてなるべく紹介していきたいと思っています。

 

 プラスチックフリージュライとは?👇

  

その第四弾が、洗濯について。

 

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日々の暮らしの中で、洗濯は欠かせない家事。

ほとんどの人がなんの疑問も持たず、当たり前のように洗濯洗剤を使っていると思います。私もその一人でした。

しかし、便利さと安さを求める現代社会では、その洗濯洗剤のほとんどがプラスチックの容器・包材に包まれ、泡立ちが良い合成洗剤や界面活性剤、黄ばみやすい白い服を白くしてくれる漂白剤や蛍光剤などなどが使われています。

持っている洗剤を見てみてください。何が含まれていますか。成分表記にカタカナやアルファベットで綴られている不明な成分が多く存在してませんか。その成分一つ一つの安全性を知っていますか。

洗濯する衣服やタオル、寝具などほとんどが体に直接肌に触れるものです。すすぎきれなかった化学成分は残留し、それが肌に触れることで、アレルギーや肌トラブルを引き起こしたり、人体や生態系に有害な恐れがあるとされています。

合成洗剤の全てが安全ではないと言うことではありませんが、その多くは最近作られた成分で、その成分が人や環境にどのような影響を及ぼすか等、まだ分かっていないことがたくさんあります。例えば先日触れたマイクロプラスチックビーズも2018年に法律改正によって使用抑制されたばかりです。今後も新しい成分の研究が進むにつれて明らかになり、使用抑制や禁止になり兼ねない成分もあるでしょう。

 

また、洗剤だけではないのです。洗濯排水はどうでしょう。どこに流れて行くのでしょうか。

日本は世界の中でも排水処理技術の優れている国です。とは言え、排水処理施設を介して河川・海に洗濯排水が排水されていたとしても、環境汚染を引き起こす課題は数多くあるのです。

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終末処理場のしくみ 国土交通省より引用

日本では、産業排水が発生源となり、水俣病イタイイタイ病など現在に続く公害病が発生し、世界的にも産業排水による水質汚染が重大な問題となりました。産業排水に対して規制ができ、排水処理技術も向上したことで改善されてきたが、一方で生活排水に対しては大きな対策が講じられておらず、水質汚染につながっています。

洗剤の面で見てみると、合成洗剤などによる化学物質汚染、ほとんどの界面活性剤の原料は石油由来なので環境負荷が高いです。水質汚染の軽減のためにも洗剤は自然由来のものを使うことが良いでしょう。

更に、洗濯による汚染は洗剤だけではないのです。

洗濯をする度に衣類から多くのマイクロファイバー(マイクロプラスチック)が抜け落ち、川・海に流出されているのを知っていますか?非常に細いマイクロファイバーは濾過装置をくぐり抜け、川・海に流出されているのです。

 

このような課題を踏まえて、私たちは日々の生活の中で洗濯とどのように向き合っていけばいいのか。

私たちにも環境にも優しい洗濯の方法を5回に分けて紹介したいと思います。

 

 

まずは根本的に洗濯について見直しについて。今日から見直しできる4つの点をここでは紹介します。

 

① 洗濯機を見直す

洗濯機を見直すことはそう頻繁にできることではなく、十数年に一度の大きな買い物であるとも思いますので、もしも買い替えを検討しているタイミングであればですが...洗濯機自体を見直すことからお勧めします。

洗濯機には縦型(トップローダー式)とドラム式(フロントローダー式)があります。縦型の方がドラム式に比べて7倍以上のマイクロファイバーを発生させます。もしも今すでに縦型を使っているのであれば、くず取りネットに溜まりやすいので、頻繁に捨てたり、ネットが破れてしまっていないか確認すると良いでしょう。

また、高性能洗濯機(HE)を使用することで、従来の20〜66%少ない水量、エネルギー消費量も20〜50%に抑えられます。

 

② 洗濯の回数を減らす

少量の洗濯物を毎日するのではなく、洗濯槽の容量いっぱいになってから洗濯機を回す。そうすることで、水と電気の無駄遣いが減り、時間のセーブにも繋がります(家事時短)。

また、毎回洗濯する必要があるものとないものを見分けましょう。肌着や靴下など直接肌に身に付けた衣類は毎回洗うが、デニムやスカートなどはよっぽどの汗をかいていなければ毎回洗う必要はないでしょう。冬場のセーターやジャケットはブラッシングしたり、タオルで拭いたりすれば、毎回洗う必要はなく、そうすることで衣類の持ちにもつながります。

お風呂上がりにキレイな体を拭いたタオルは毎回洗うのではなく、使用後すぐにしっかりと乾かせば雑菌は増えず、匂いも発生しにくいです。寝具も同様です。毎朝起きたら、寝具を干す等すれば、洗濯の回数を減らすことができるでしょう。

とは言え、汗のかきやすい夏はやはり洗濯の量も増えてしまいますし、仕事柄汚れやすい、汗かきやすい作業なども人によってはあると思いますので、それぞれのライフスタイルにあった洗濯回数に見直してみると良いでしょう。

 

③ 素材を見直そう

衣類は、毎日の生活の中で肌に触れるものなので、天然素材を選ぶようにする。

天然素材とは、コットン(できればオーガニックコットン)、リネン・ヘンプ(麻)、シルク(絹)、ウール(羊毛)、カシミア、モヘヤ等です。

逆にマイクロファイバーの原因になってしまうのは、ポリエステルやアクリル、ナイロンなどの合成化学繊維。例えば、フリースやポリエステル製の毛布などからは毎回洗濯する度に多くのマイクロファイバーが抜け落ちてしまいます。

特に安物の合成繊維の衣類は避けましょう。品質の低いフリースは、品質の高い製品(パタゴニア)に比べ、より多くマイクロファイバーが抜け落ちてしまいます。更には、何度も洗濯したもの衣類よりも新しい衣類の方がマイクロファイバーが抜け落ちてしまうことがわかっています。

安価で、スタイリッシュなファーストファッションが多くある現在だが、児童労働、低賃金労働など問題も絶えません。更には環境にまで悪影響を与えてしまう。それでもまだそのような衣類を身にまといたいと思いますか。

 

④ 天日干し vs 乾燥機 vs 部屋干し

天日干しの最大のメリットは、太陽の光や熱によって殺菌または菌の繁殖を防ぎ、菌による臭いを消す効果があること。しかし、紫外線によって生地が痛んでしまうデメリットもあります。また、家の作り・ライフスタイルによっては雨などによる心配で天日干しが難しい場合もあると思います。そこで近年では、乾燥機の使用が日本でも増えてきました。

しかし、乾燥機によってもマイクロファイバーが流出がしている可能性があるということが分かってきました。また乾燥機を使用した場合、終わった後すぐに取り出さないとシワになりやすく、アイロンがけをする必要が出てくることもあります。

共働きの家庭だと、部屋干しが一番安心して、外出できます。部屋干しのデメリットと言えば、梅雨時期等の生乾き臭。これには私も悩まされました。除湿兼衣類乾燥機を使えばあっという間に乾いて臭いもしません(この時その部屋の戸や窓を閉じておけば余計な湿気が入らず、効率よく乾燥することができます。。

 

それぞれのライフスタイルにあった方法で、洗濯する本人が心地よく、身体にも環境にも優しい洗濯方法を見直ししてみませんか。

  

次回は、マイクロファイバー対策について紹介します。

 

 

参考:

www.gov-online.go.jp

edition.cnn.com