アボカドの季節とワカモレのレシピ

日本にいた頃、叔母から『冬の方がアボカドが安いとテレビでやってた』と聞きました。メキシコに移り住んで納得。メキシコでのアボカドの収穫は9月中旬から冬にかけて始まるのです。

義母は4ヘクタールのアボカド畑を趣味で(?)やっており、去年10月から収穫の時期。1月の今でもランチ(農園)に行くと、立派な実がたくさんついています。

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アボカドには千種類以上ありますが、メキシコでも、世界的にも1番の人気なのが、Hass(ハス)という品種で、日本に輸入されているのもハスのみだそうです(国産アボカドはハス以外の品種もあるようです)。一般的にアボカド =熟したら黒くなりますが、これは実はハスのみで、他の品種は熟しても緑、または暗い緑のままです。

 

さて、義母のランチでは4種類のアボカドを育てており、その中でも1番の人気のHass(ハス)は1kg7ペソ(約35円)で全部売ったそうです。と言うのも去年は、義母と管理人と日雇いで必死に収穫したものの、4ヘクタールの畑をたった数人で収穫するのは無理な話。畑の奥の方のアボカドは盗まれてしまったと言う。しかもその盗んでいるのは、住込みで雇っている管理人の親族だと言います...。

その対策として、今年は管理人の紹介という人に全てのハスを木ごと売ったとのこと。木ごと売ると言うのは、収穫も購入側がするので義母の負担がない、管理人の知り合いなので、自分の顔が立たなくならないように管理人も親族に盗ませたりすることはないだろう、という考えのもと。

なのでレストラン経営している義母のレストランに自農園のアボガトが行くことがなく、他の野菜と同じように別途購入していると言う。

なので私たちもハスの収穫は許されません。

 

さて、義母の農園で育てている4種類のアボカドは以下の通り。

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左からHass、Fuerte、Gwen、Pinkertonという品種

Hass(ハス)...熟して食べ頃になると黒くなり、大きさも他のに比べると小さめ。小さいのは食べきりサイズになるように品種改良されているからとか。

Fuerte(フェルテ)...洋梨の形をしたこの種は熟すのが早く、収穫してからの日持ちが短いが、濃厚な味が人気。最近の私のお気に入りです。

Gwen(グエン)...丸い形をしたこの種は、ハス同様に皮が固め。味もハスのように濃厚。

Pinkerton(ピンカートン)...なかなか出回っていないこの品種は、バターのようなテクスチャーで、パンに塗る事も出来るくらいのクリーミー。味も濃厚で初めて食べた時は感動しました。

 

要は全て味は濃厚です(笑)とは言え、濃厚でなく、水っぽいアボカドも存在し、その種は地元の人たちも食べず、道端に平気で落ちてます(日本で言う渋柿のような感じかな)。

 

 

今回は、アボカド料理といえば『ワカモレ』(Guacamole)の作り方を紹介します。日本に出回っているメキシコ料理のほとんどがアメリカ発祥の "Tex Mex"(テクス・メクス料理)と言いメキシコ人が多く住むテキサス州の料理で、メキシコ人からしたらメキシコ料理なんかではない!(笑)日本人にとって海外で食べる寿司は寿司なんかじゃない!という感覚と同じですね。

 

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ワカモレのレシピ

約4人分
<材料>
熟したアボガド          2個
ライム(レモンでも代用可)    1個
紫玉ねぎ              1/8個

トマト              1個
パクチー            数本
チリセラーノ           1個(辛いのが苦手の場合は半分もしくはなしでもOK)

 

トスターダ かトルティヤチップス  お好み

    
<下準備>

  • 紫玉ねぎ、トマト、パクチー、チリセラーノはみじん切りに切っておく。

 

<作り方>

  1. 半分に切ったアボカドをスプーンでボウルに出して、ライム汁を絞り、塩を振るう(レモンをすぐにかけることでアボガドの変色を防げます)。

  2. フォークでアボガドをスマッシュする(粗く潰す程度でOK)。

  3. みじん切りしておいた野菜と薬味を全て加え、混ぜ合わせレバ出来上がり。

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<備考>

  • チリセラーノが手に入らない場合は青唐辛子でもOK。
  • 石臼モルカヘテ(メキシコのすり鉢)があれば一番ですが、ない場合はボウルとフォークでもOK

 

余談ですが、メキシコのチリ(唐辛子)にはこんなにも種類があります!

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左が生、右は乾燥

なんでもチリをかけるメキシコ人ならではの豊富な種類。スーパーの野菜売り場でもバルク(パケージなしの量り売り)で何種類ものチリがあります。

 

Hola2021!

A Happy New Year! 

あっという間に新年から7日。年越しは去年同様に海辺のホテル。今までにないくらいの寒さで、暖房設備なし、オープンエアーのレストランでみな寒がり、あまりの寒さに年越し花火も1時間早めて首都メキシコシティの深夜0時に合わせて開催に変更に。義両親がこの地に住んで34年、こんなに寒い日はなかったそうです。climate change(気候変動)を感じざるを得ない年越し。

 

年末はパンや焼き菓子の製造に追われたけど、年始は穏やかにのんびりと過ごすことができました。この年末年始は今まで以上に海外生活と日本での生活の違いを感じたりもしました。

 

日本で住んでいると当たり前にする年末の大掃除もこちらではしている人がいないので、すっかり後回しに。若干手抜きになってしまいましたが、ギリギリ31日にやり残していたところをやってなんだか気持ちスッキリ。

 

年越しのお蕎麦、お正月のおせち料理。これがないのは寂しい。ホテルでの年越しディナーは毎年豚の丸焼きがメイン。近くの養豚場に日頃からレストランのフードウェイストをあげているので、そのお礼として毎年年末に豚を1匹丸ごと頂いているそうです。私はなるべく動物性を避けているので、毎年特別メニューを作ってもらってます。とはいえ蕎麦はないので、通常のレストランのメニューから選んだもの。

幼い頃から我が家では、お正月は朝からおせち。初婚の時は元夫の実家の集まりで、すき焼きでしたが、2日からは私の実家だったので、そこでおせちやお雑煮を頂いていました。

20代はオーストリア・ドイツに何年か住んでいて、その間一度も年末年始に日本に帰ることがなかったので、おせちを何年も食べなくともなんとも思わなかったのに、今年はやたらと恋しいと感じるのは不思議。年を取ったのかな...。

 

年末年始休まず仕事。これは海外生活というよりも今の私の置かれている状況からなのだろうけど、ホテル・レストラン経営をしていると、この時期は繁盛期。コロナの影響で昨年よりも客数は減ったとは言え、規定制限までの満室。義家族全員フル出動。これは日本でもそういった経営をしていればそうなんだろうけど、私にはまだ新しい状況なので、お正月家族とゆっくり過ごせないのは、少し寂しくも感じます。

 

 

さて、1年前の年始に書いたブログを読み返してみました。

simplylivinggreen.hatenablog.com

 

去年は義弟のアパート建設で気が狂いそうになっていたことを思い出すと、どんなにしんどくても時は流れていき、いずれは良い方向に向かうんだなぁ、と改めて思ったり。前回も書いたように今は2人暮らしになって、少しずつ自分たちで家の改造をして、鶏も飼い始めて、庭を整えて、ガーデニングにより一層力を入れて、自給自足まではいかないけれども今の私たちにできる理想の暮らしが一歩一歩近づいている。

 

去年の初めにゴミについても書いていて、このゴミ問題も前回書いたようにリサイクルシステムを自分たちで作って周辺住民の協力もあって、一歩前進。

 

こんな時代だから小さな一歩一歩だけど、一歩ずつ確実に。丁寧に。そんな1年を歩んでいきたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いします。

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2020年、6つのこと

あっという間に過ぎ行く日々。今年も残すこと1日(メキシコはまだ30日です)。最後の更新からも約4ヶ月経ってしまいました。

書きたいことはいっぱいあるのになかなか書くタイミングを後半期は取れませんでした...。

 

コロナで始まって、コロナで終わる年。1ヶ月半前には夫の母国でもあるオーストリアでテロ攻撃があり、しかもその場所は11年前私が住んでいた駅でした...。2020年はなんだか大変な年だったなぁと、1年を振り返るといろんな思いが巡ります。今までに生きたことのないような1年だったからこそ達成できたことはたくさんありました。

 私の今年の6のことを振り返りながら綴ります。

 

1. やっとの2人暮らし

今年の初めに我が家の上に義弟のアパートメントが完成し、彼らは引っ越し、やっとの2人暮らし。これを機にキッチンの場所を移動させて、以前はリビングルームだった、陽のあたりのいい部屋にキッチンをリフォーム。

私は1日のほとんどをキッチンで過ごし、キッチンが仕事場でもあるので、キッチンのリフォームをお願いしました。と言ってもここはメキシコ。日本のようにプロがデザインするのではなく、全て夫と二人でデザイン・計測し、大工さんに作ってもらいました。素人デザインですが、上出来で、二人して気に入ってます。

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リフォーム中にコロナが始まり、アイランドの周りを木のフレームでカバーが、滞ってしまっているのですが、これもまたメキシコ。気長に完成を待つことにします。

 

2. 新しい家族 ① チキンズ

なんとなく去年から鶏を飼いたいね、と言っていたものの実行できず。コロナが始まって、ステイホームを機に『プロジェクトをしよう!』となり、その一つが、鶏小屋を建てよう!

ガレージの一角を利用して、夫と鶏小屋、鶏のお家を作りました。青い卵を産むアローカナという種の鶏を待っていたら、その間に義弟の友達から黒いひよこを頂き、その後7月末に生まれたてのアローカナのひなを頂き、烏骨鶏が我が家にやってきて、そして先日のクリスマスに2羽の雌鶏を友人から頂いて、今では鶏も5羽になりました。鶏記については書いている途中なので、来年こそはアップしたいと思っています。

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3. 新しい家族② ロムブリセス

Lombrices(ロムブリセス)とはスペイン語コンポストみみずのことをさします。これも去年から飼いたいね、と話していて、みみずたちのお家をデザインし、夫と二人で日曜大工して、シマミミズを探していたら、友人から譲ってもらい、我が家にやってきて早10ヶ月。彼らのふんとおしっこには感謝しかありません(与えると植物たちは翌日にはすごく元気になり、虫も付きにくくなります)!

みみずたちについては何回かに分けて紹介しました↓

simplylivinggreen.hatenablog.com

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4. シーライオンと泳ぐ

世界遺産のコルテス海で野生のシーライオンと泳ぐ夢が叶いました。カンクーンに匹敵する美しい海のロスカボスそしてラパス。3月に行く予定がコロナの影響で延期に延期し、結局9月に一か八かで行きました。ずっと泳いでみたかったシーライオンと泳いできました。

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ちなみに1月にはカンクーン、2月には家の近く海でジンベイザメ、9月にはイルカと泳ぐこともできました!

 

5. 小さなパン屋ビジネス

本業のパン屋ビジネスを夏ころから開始し、義家族や友人の助けもあり、おかげさまで軌道に乗っています。

私の住む地域には天然酵母やオーガニックのパンがないので地元に住むアメリカ人・カナダ人の外国人の方々にすごく喜んでもらってます。

粉・塩・水をベースとしたシンプルな材料と季節の地元食材をミックスしたり、ライ麦やシード系の大きなパンを基本としたパンの卸販売を始めました。

www.instagram.com

 

6. Pelícanos Verdes

2ヶ月前から夫と海の方での"Pelícanos Verdes"という環境活動グループを結成しました。今のところの内容は週1回のリサイクルごみの回収とビーチクリーン。

私の住む地域では残念ながらまだ環境対策が進んでおらず、一般ごみが全て一つとなって回収され、全くリサイクル環境が整っていません。ホテルのある海の方では一般ごみの回収すらされていません(周辺の住民はお金を払って回収を依頼しています)。

去年メキシコに住み始めてすぐに、夫が家と職場(ホテル兼レストラン)でリサイクルシステムを作ってくれました。ホテルの方ではリサイクルを知らない従業員に缶は缶、ガラスやガラス、ペットボトルはペットボトルの分別リサイクルを教えるのに非常に苦労していました。しかしその甲斐があり、数ヶ月前に2人の従業員が自らがリサイクルごみ回収を担いたいとかって出てくれました。というのも、これまではリサイクル業者が回収する代わりに無料であげていたが、コロナの影響でその回収がストップしてしまい、リサイクルに分別したごみは結局ランドフィールド(埋立処分場)に行き、そこでゴミ拾い人が回収して業者に売っていました。

従業員2人がリサイクルしたものがお金になるのでホテルで分別されているリサイクルごみを回収したいと言ってきたので、それなら近隣住民のリサイクルごみも回収しようということになり、私が近隣住民への依頼、翻訳を担ってます(近隣住民の多くがアメリカ人やカナダ人の外国人)。それと合わせて月に1、2回のビーチクリーンを地元の子供達と開催し、地元住民へのポイ捨て禁止啓発になることを目指してます。

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今のところの活動はその2つですが、今後もっとサステイナブルそしてリジェネレーティブ(再生)ライフスタイル、リサイクルではなく、そもそもごみを出さないライフスタイルを広める活動も考えてます。

 

 

2020年、世界中の多くの人々の中で『コロナの年』となったでしょう。

今までに生きた事のない時代に生きていて、日々目まぐるしく変化する時代で、何が起こるかわからない...。

ロックダウンが始まった当初は夫と過ごすことが24/7で、自由奔放な彼の家族はコロナ禍でも平気で外出や友人を招待したりと、イラつくことや、夫とのケンカも増えた時期もあり、夫とはとことん話し合い、心底ケンカして、今ではお互いに今まで以上の支え合いができるようになりました。

あっという間だった2020年。

みなさま、ありがとうございました。

ありがとう、2020年。