ここにかつてあったレインフォレスト

私の住む地域は毎年6月24日がレイニーシーズンの始まりと言われている。今年はその2日遅れの26日に遂に雨が降った。長い乾季が終わり、10月まで続く長いレイニーシーズン(雨季)の始まりなのだ。

これで植木への水やりや水不足からも解放される。

 

雨季になると、毎日1時間前後の豪雨で、止んだらまた陽がかんかん照る。

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去年の雨季の写真

私の住む州は、かつてはレインフォレストだった。そのレインフォレストも今はほとんど伐採や開発による破壊されてしまったという。

 

私自身レインフォレストには強い思い入れがある。小学3,4年生のころ理科の授業で数回に及びトロピカルレインフォレスト熱帯雨林)について勉強した。その授業の記憶が小学校6年間の授業で一番印象に残っている。そしてそれ以来いつかトロピカルレインフォレストに行きたいと思っていた。

アメリカの小学校に通っており、私の通っていた小学校は高学年からは科目別に先生が変わり、教科書がない授業もあった。この理科の先生(ミセスグリンバーグ)も教科書を使わない先生の一人で、ある時はフクロウの糞を解剖した。

 
そして20年以上経った今、レインフォレストの近くに住むことになった。人生、何があるかなんてほんと分からない(笑)

※調べてみるとこの地域はレインフォレストとなっているだけであって、日本語で言うと「熱帯季節林」にあたるのではないかと思う。 

 

私が環境問題に関心を持ったのも、その理科の授業がきっかけだった。ミセスグリンバーグは私たちにマクドナルドや三菱が熱帯雨林伐採していると教え、私はその日以来10年近くマックを食べなくなった。三菱の製品も買わなくなった。子供心に衝撃だった。

今大人になってわかったが、この2つの企業だけが伐採しているわけではない(※現在は当時と状況が変わっていると思うので現在もそうとは限りません)。他にも多くの企業が伐採しており、それを消費する私たち消費者が、責任持って商品を選ばなければ伐採は止まらず、このままで行くと近い将来には熱帯雨林は無くなってしまうのだ。

 

 

熱帯雨林は熱帯林の一種で、年間2,000mm以上の降水量、最寒月の平均気温が18°C以上の地域の森林。地域としては、東南アジア、中部アフリカ、中南米など。有名なアマゾンは世界一大きな熱帯雨林である。

熱帯雨林は、地球の陸地面積のわずか約5%だが、全世界の生物の半数以上が生息していると言われている(研究者によっては8割近く生息しているとも言われている)。また、全世界の2/3の植物が生息していると言われている。そして、世界中の酸素の40%は熱帯雨林によって供給されたものと見られている(※先日見たドキュメンタリーによると、アマゾン熱帯雨林は世界の全人口が必要な酸素の20倍を供給しているが、その酸素はアマゾンを離れることはない。それほど多くの動物がそこに存在しているからである。*1

熱帯雨林は、"world's largest pharmacy"(世界一大きい薬局)と言われており、その理由は薬用植物の豊富な源で西洋医薬品の25%の原料が熱帯雨林で見つかったものから由来し、また熱帯雨林に生息する2,000種類以上の植物が抗がん作用を持ち、その7割が熱帯雨林でしか生息することができないと言われている。*2

 

 数千年前までは地球上の12%の面積が熱帯雨林だったが、伐採などによる森林破壊が進み、わずか5%足らずとなってしまい、現在も毎年600万ヘクタール(北海道の面積の77%)が地球上から消失している。

その主な原因は、

・農地開墾、家畜の増加

・商業伐採(先進国向けの木材輸出)

道路建設

などであり、このペースで減少が続けば、40年で地球上から消滅するものと予測されている。 そして、それに伴い多くの生物種も絶滅している。

 

  • 破壊によって引き起こること

・自然災害(土壌侵食、洪水など)

・温暖化(伐採、森林火災による温室効果ガスの大量排出)

・農地開墾による土壌、水、大気の汚染

・野生生物の絶滅のおそれ、生物多様性の減少

などであり、何よりも野生動物の住処を奪い、絶滅の危機にさらしているのだ。

 

  • 私にできることとは?

熱帯雨林を犠牲にして作られている産物の一つが、パーム油。パーム油は幅広く使用されており、食品ではマーガリンや即席めん、マヨネーズ、クッキー、チョコレート、スナック菓子、アイスクリームなど、食品以外では石鹸や洗剤、化粧品、化学製品など。日本では、パーム油は「植物油脂」と表記するだけで良いので非常に分かりづらい。

私たちにできることは、消費者として、パーム油を使用した製品に関心を持ち、持続可能な生産方法かどうかわからないパーム油製品を買わない。また、RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil:持続可能なパーム油のための円卓会議)による認証製品を購入する、またそういった製品を求める声を企業に伝える(イオンは一人の消費者のフェアトレード商品を求める声に応える為、導入したと聞いたことがあります。声をあげることには価値があります)。

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RSPO認証マーク👆


「持続可能なパーム油のための円卓会議」(RSPO)について

  

また、木材や紙の商業伐採も熱帯雨林が犠牲になっている要因。ティッシュや、トイレットペーパー、コピー用紙、ノート、パンフレット、雑誌、家具など私たちの日々の暮らしで使用されている。無駄使いを減らすのはもちろん、FSC(Forest Stewardship Council(R):森林管理協議会)認証されている製品を選ぶことや家具など木の製品を大事に使い、必要がなくなった時にはリサイクルやリユースする。

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 FSC認証マーク👆

 

 
 
また、WWFは森を守る活動をしています。そういった団体への寄付も私たちのできることの一つ。
 
意外に知られていないが、熱帯雨林破壊の原因はわたしたちの生活にある。
タイトル通りだが、私の住む州もかつてはレインフォレストだった。それを伐採し、ハイウェイができた。そのハイウェイができて州都と海辺までが30分足らずで行けるようになった(ハイウェイができるまではその倍かかったと言う)。
そのハイウェイをドライブしていると、左右にバナナやマンゴー、ヤシ農園が続いている。去年はこのハイウェイで野生のジャガーがひかれ、亡くなってしまった。
言葉が出なくなる...。
 

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海の近くの元要塞からの風景。これも一見は美しい風景だが、ここに育つヤシもおそらくはレインフォレストを伐採して作られた農園なのだろう。
たまに知らない方が幸せと思うことがある...。