バナナの木とナチュラルな肥料
ある日の夕方、仕事帰りの夫が嬉しそうに「君にプレゼントがあるんだ」と言ってきた。呼ばれるがまま降りていくと、そこにはどこからやってきたかわからない木が...。
話を聞いてみると、ハイウェイを走っていたらたまたま小さなバナナの木を発見して(ハイウェイで止まるなんて危ない!でもメキシコ人、平気でこういうことします...)、そしてたまたま車にはシャベルが入っていた(なんていう偶然?!)ので持って帰ってきたとのこと(うーん、日本人的にはこれは盗みでは?!と思ってしまうのですが、メキシコではこれは普通なのだと。ケンカになってしまうのであえてこれ以上は言いません(笑))。
もう持って帰ってきてしまったので、つべこべ言わず、早速お庭に植えてあげました。
去年の9月のこと。今年1月にメキシコに戻ってきた時にはこんなにも成長してました!
そして7月、もうひたすら成長。子供(子株)もいくつか育って、もはや巨大化してます。
だけど一向に実をつけない...。
義父のホテルに育つバナナの木々は赤い花つけていっぱい実をつけてます。
義父はなんの手入れもせずに勝手にここまで育っているという。そして、我が家のバナナの木は「マッチョ」ではないか、と言う。
「マッチョ」とはメキシコで「男」を指す。要は実がつかないと言うこと。滅多にないが、そんなことがあるらしい...。まだ希望を捨てず、実がついてくれるのを気長に待ちます...。
さて、バナナを食べたら、皮はどうしていますか?
ゴミ。コンポスト...。
バナナの皮は歯を白くするとか、蚊に刺された後の痒み止め(レモンの皮も痒み止めになる)や、お肌にいいのでお肌パックなどの再利用方法があるようです。
夫が教えてくれたのは、肥料として再利用。
バナナの皮を水に一週間浸けておくと液肥になると言うのでやってみたら、ウジ虫が湧きました😭
次にちゃんと調べた結果、バナナの皮を天日干し。 甘い匂いに虫が寄ってこないようにしっかり乾燥させる。そして合わせて、乾燥させた卵の殻。
それぞれをミキサーで粉砕。
あとはお米のとぎ汁薄めた水に入れるだけ。
肥料三要素とは、
- 窒素(N)
- リン酸(P)
- カリウム(K)
それぞれ役割は、
- 窒素(N) → 葉や茎を大きくする(葉肥)
- リン酸(P) → 開花結実や果実に影響する(花肥・実肥)
- カリウム(K) → 根の発育(根肥)
こうやって覚えておけば、どこの部分を食べるかでどの肥料を特に必要とするか、わかります。そのほかに、カルシウムとマグネシウムを加えて肥料の五大要素。
バナナの皮には、カリウムが豊富に含まれている。
お米のとぎ汁には、窒素やリン酸が含まれてて、
卵の殻には、炭酸カルシウム。
ここまでは全て家庭内のゴミとなってしまうもの。
もう一つ、エプソムソルトがあると良い。エプソムソルトは硫酸マグネシウムで、欧米ではバスソルトや医薬品、植物の肥料として家庭に普及しています。エプソムソルトのお風呂に入れば体からマグネシウムを吸収できるとして、一部モデルやセレブにも人気があります。
これで化成肥料は使う必要なし。あとは生ゴミ、コーヒーかす(窒素)や茶がら、米ぬか(リン酸が豊富)でコンポスト堆肥化すればこれもゼロウェイスト有機肥料。
余談ですが、日本に住んでいた頃、バナナには農薬がいっぱい使われていると思ってました。しかし、メキシコに住んでみて、バナナは全く農薬が必要のない果物と知り、調べてみた。日本に輸入されているバナナの多くはフィリピン産で、収穫後に運搬中の害虫やカビを防止目的に農薬が散布されているのだという。これをポストハーベスト農薬と言う。日本ではポストハーベスト農薬は禁止されているが、日本に輸入されてくる作物に対しては禁止されていない。バナナに限ったことではないが、国産やオーガニックの野菜や果物をなるべく選ぶようにしたい。