ゴミと教育

明けましておめでとうございます🎍

今年もマイペースに更新していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

 

 

現在、1つの敷地内に義両親をはじめ、4世帯で住んでいて、そのうち私たち夫婦と義弟カップルで住まいをシェアしています。しかし、今後の為にもそれぞれの住まいを持った方が良いだろうということで、昨年10月後半から4軒目の家(アパート)を立てる為、工事が入ってます。

 

メキシコ、というよりも中南米(ラテン)の国々は家族の絆が強く、それぞれに家庭を持っても一緒に住むこともあるようです(もちろん全ての家庭がそうとは限りません)。

私の義親もどうやら子供たちと離れて暮らしたくないみたいで、元々1軒家だった家を数年前に3等分にし、現在は4軒目の家(アパート)を建ててます。ちなみに私たちは4世帯、7国籍の家族です(笑)

 

 

さて、10月後半から工事が入っているのですが、その土木作業員の行動にクレイジーになりそうです。大事に育てた庭は破壊されてしまい、緑緑していた芝生は消え、一時は彼らの飲むコーラのペットボトルや、ビール瓶(そう、作業中に平気でビールを飲んでいます)、お昼に食べたプラスチック容器や、お菓子の包装紙であふれていました。

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何度も夫や義両親とともに作業員の乱雑を掃除し、ゴミを分別するための各袋も支給し、分別方法も作業員に説明しましたが、1日も持ちません(メキシコはゴミの分別がなく、瓶も缶もペットボトルも全てが埋め立て処分されていますが、我が家では、夫が去年から分別制度を作り、分別したものは各リサイクルセンターに持っていくようにしています)。

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土木作業員は、朝7時半から作業を始め、爆音で音楽を聴いたり、歌ったりしながら作業をします。

現在住んでいる建物の上(2階)にアパートを建てているので、作業した埃やセメントカス(?)を平気で上からばらまいてきます。たまに大量の石ころが落ちてくることもあります。

犬や子供(甥っ子、姪っ子)が歩くところに、釘などが平気で大量に落ちていたり、釘の飛び出している作業中のものも平気でそのままにして帰ります。2回ほど我が家の犬は、その釘が刺さり、頭から血を流しています。一日の終わりには、掃き掃除もせず、そのままにして帰ります。

さらには、新しい建てているアパートの一角で作業員は用を済ましています(我が家のトイレを使ってくださいと言っても使ってくれません)。終いにおそらくは大便もどこかでしているようで、それを我が家の犬が食べてきたこともあります。

作業中にインターネット回線も2回ほど壊し、水道管も何度も壊して帰り、シャワーが浴びれない日もありました...。

最近では(おそらく温度調整用に使用されていると思われる)発砲スチロールの切りくずが庭中に散乱し、スイミングプール中に浮かんでいます。

作業中にビールを飲むのはもちろん、タバコの吸い殻も平気でポイ捨て、更には大麻まで吸いながら作業をしています(メキシコは個人使用の大麻は合法)。合法とは言え、仕事中に他人の家で吸うなんて信じられません。

彼らは隠すこともなく、平気で作業します。

もうこの2ヶ月以上毎日のことなので、これでも書ききれないのですが、こんな毎日が続いています。ゴミに対する意識のなさ、他人の家で作業をすることに対するリスペクトのなさに驚きを隠せません。

 

30年以上の在墨、ホテルも一から建てた、オーストリア人の義父はこんなことには慣れっ子で、作業員たちを大きな心で、「作業をしているのだから仕方ない」と言っています。

その反対に、メキシコ人の義母は気が狂いそうだと言っています。

そして私も気が狂いそうです。これは言い訳になってしまうのですが、最近何も書くことができなかった理由の一つもこれです。

 

 

義両親は海辺でホテルとレストランを経営しています。そこで毎日大量の缶や、ガラス瓶、ペットボトル、紙パックのゴミが出てしまいます。それらのゴミもこれまでは全て埋め立て処分されていましたが、ここ半年前後から夫がリサイクル制度を作り、主にバー(ドリンク)で出るゴミのリサイクルを従業員にお願いしています。残念ながら、それもきちんと実施されず、こちらが注意しなければ、平気で埋め立てゴミの方に入れています。しかもその注意は毎週のように何度もしても聞いてくれません。終いには、注意する夫は、みんなから文句を言われてしまいます。

 

前職で観光地で人気なベトナムの島のゴミ問題を解決すべく、その島内の住民にゴミの分別、リサイクルの重要さの説明会を開き、その後トライアルでゴミの分別回収を2週間に渡ってしたことがあります。しかしながら分別という概念のない住民のほとんどは日が経つに連れ、分別をしなくなりました。

 

日本では1990年代頃から分別開始し、今では分別することが当たり前です。分別されていないゴミ袋は回収されないこともあります。

以前住んでいたドイツでも、オーストリアでも日本のように分別することは当たり前でした。更には瓶、ペットボトル、缶のほとんどは返却制度があり、購入時に数円容器代が発生し、スーパーで返却すればその分の返金されるという仕組みでした。

幼少期住んでいたアメリカでも缶や牛乳が入っていたプラスチック容器も同様で、子供ながら返却することがスーパーに行くちょっとした楽しみでした。

 

 

最近思うのですが、結局は全て教育にあると思います。土木作業員もホテルの従業員のほとんどは田舎町でちゃんとした教育も受けることができず、生きるために若い年から働くという選択肢しかない。他人をリスペクトする気持ちを学ぶこともなければ、他人の敷地内で作業している、ということに対するリスペクトは全くありません。

 

義両親のホテル・レストランでは、従業員による不正は日茶飯事です。チャンスがあれば、お会計したお客さんからのお金を自分のポケットマネーにするそうです。従業員には注意勧告しますが、それによってクビにすることはほとんどありません。何故ならば、その都度クビにしていたら働く従業員がいなくなってしまうからだそうです。だから、不正をした従業員は平気でまた不正を繰り返します。

 

政治家も同様です。むしろ政治家がそうだから国民は真面目に働くのが嫌になっちゃうのでしょう。メキシコ人の友人の一人は州立大学の教授をしています。しかしながら昨年10月から給料が支払われず、職員たちはボイコットをしています。何故なら、大学のトップの何人かが大学の資金を自分たちのポケットマネーにし、職員の給料がなくなってしまったそうです。

もちろん教育だけでなく、国のメンタリティでもあります。

 

太陽の恵みをいっぱいに受けた自然豊かなこの美しい国にどうしてこんなに悲しい一面があるのだろうか。美しいこの地球を救って行くためにも、どう彼らにゴミに対する教育、分別に対する意識を持ってもらえるのか、日々夫と悩んでいます...。

私は、夫とは逆に誰にも分別するように言いません。ただ分別していることは話します。それをしっかり実施しています。私の考え方としては、しっかりやっていれば、それを見る人には伝わると。夫は、メキシコのメンタリティにそんなのでは伝わらないと言います。何度も強く注意しなければ彼らは分からないのだと。何度もきつく注意したら嫌になってしまうのが、人の心理でないか、と私は思います。

ホテルの従業員に対して、リサイクルセンターの職員による講習会を開きたいと夫と話していますが、開いたところで話を聞かずに携帯をいじっているのがほとんどだろう、と夫は言います(夫はその講習会で色々学んで帰ってきて、これまで私が説明してきたことをよく理解し、新しい知識をつけてきました。母国語で聞いた内容だから私が英語で説明するよりもずっとよく理解できたのでしょうし、専門家の言うことだから信憑性があったのだと思います)。私にはまだメキシコのメンタリティが理解しきれてないので、何が良い方法なのか...分からなくなります。

 

 

年明けのブログの内容がこんな内容となってしまって、大変悲しいのですが、これが毎日の現実です。工事は来月中旬までかかると言われています(当初は年内と言われていたので、実際にはいつになるか、わかりません...)。

 

こっちに住むアメリカ人の友人たちも皆、同じことを言っています。私だけでないんだな、とホッとします。そしてこういうメキシコの現実もあるんだ、ということをブログに書いてみては、と言ってくれました。ネガティブなことは書きたくないので、悩みましたが、今回は書いてみることにしました。

住む場所をパラダイスにするのも、ヘル(hell)にするのも自分次第。自然を愛する一人の人間として、発展途上国に住む一人の日本人として、自分には何ができるのか、そんなこと考えながら、実施しながら2020年と言う新しいdecade(10年)を過ごしていきたいと思います。

 

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