みみずコンポスト② みみずの入手とエサ
みみずコンポストについて4回に分けて書いてます。前回みみずのお家であるコンポストボックスについて紹介しました。今回はコンポスト用みみずの入手方法について紹介します。
どんなみみず?
さて、みみずと言っても、庭や道端にいるどんなみみずでもいいと言うわけではありません。コンポスト用のみみずはシマミミズという品種で、残念ながら普通の土壌では探しにくい品種です。
英語では"red worm" と呼ばれることがあり、その名のとおり、赤ピンク色です。この品種は生ごみなどの有機物を食べ、その糞が堆肥となります。シマミミズは釣りの餌として用いられている品種でもあります。
日本では、釣具屋で販売されていることもあるようなので、最寄りの釣具店を確認してみると良いかもしれません(釣具店によってはシマミミズ以外の品種の可能性もあるそうなので品種も確認してみてください)。
シマミミズは以下から入手可能です(それぞれ値段・送料が異なります)👇
メキシコでは、アマゾンと並ぶ大手オンラインサイト "Mercardo Libre"(メルカルド・リブレ)というサイトで販売されています(1kgなんと$80(ペソ)(約380円)!!日本では500gで5千円前後します...)。
とは言え、メキシコの郵便・宅配事情は信用ならないのと、生き物をオンラインで買うのは抵抗あり。
義母(アボガド農園経営しています)に聞いたら、シマミミズ販売をしている知り合いがいると連絡先を教えてくれました。問い合わせてみると、なんと500gで$800(ペソ)、なんとオンラインの10倍の価格!!
その数日後たまたま友達と食事をしている時に、ふと聞いてみました。そしたらその中の一人が教えている大学に農業科があり、みみずコンポストを行なっているからプロフェッサーに聞いてくれると言う。
その翌週、プロフェッサーから頂いたシマミミズを約1kgほど友達が届けてくれました。そんなこんなで、我が家にシマミミズがやってきたのは今年2月のお話。
ちなみに、みみずたちを家の中に入れる際は、水に浸したダンボールをメッシュ板の上に敷き、その上にみみずを入れました。
みみずはとてもデリケート
みみずはとても敏感な生き物だそうです。新しい環境に慣れないと集団で死んでしまいます。なので新しいお家に移動したら3日間は蓋を閉めたままそっとしておき、新しいお家(環境)に慣れてもらいます(その間エサも不要)。その後、しばらくはエサも控えめにあげます。
また、光も苦手です。エサ(生ごみ)をあげる時以外は必要以上に蓋を開けずに、そっとしておきます。
みみずのエサ
生ごみだったらなんでもいいのか、と言うとそうでもありません。みみずにも好みがあります。イメージで言うと、プラントベース(ヴィーガン)のベビーフード。辛いものや酸っぱいものも苦手。そして、みみずには歯がないので、細かく刻むと効率的。
<与えて良いもの>
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野菜や果物の皮(柑橘類・パイナップルはNG)
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ご飯・パンやその他の穀物類
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ご飯の残飯
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コーヒーかすや茶がら(コーヒーフィスターや紙のティバッグもOK)
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卵の殻(砕いたもの)
<与えてはいけないなもの>
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お肉や魚(動物性全般)
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柑橘類
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乳製品
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玉ねぎやニンニク
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唐辛子などの香辛料
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脂っこい食べ物全般
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パイナップル
また、果物や野菜の種を入れてしまうと、高い確率で発芽するので入れないことをおすすめします。
生ごみ以外にも、新聞紙やダンボール、おがくず、わら等を月1のペースであげると喜びます。大好物はココナッツ繊維。
※わざわざおがくずやわらを買う必要はありません。
※ダンボールは印刷のない無地のものを使いましょう。
また、みみずは湿った環境を好みます。常に湿った状態を保つようにして、乾いていると感じたら水スプレーしてあげます。
どのくらい食べるの?
みみずは1日に自身の体重(0.4g)の半分(0.2g)ほどの生ごみを食べます(初めの1〜2週間はその半分くらいにしておくと良いでしょう)。
一般的に2人家族で約250g /日の生ごみが出ます。なので500g(約1,250匹)のみみずがいれば十分です。
なお、みみずの繁殖力は大きく、半年で5〜10倍に増えます。なので、初めは少なめからのスタートで良いでしょう。
次回はみみずコンポストの堆肥収穫について紹介します。
コンポストのおすすめ書👇
<合わせて読みたい>
みみずコンポスト① 〜みみずのお家を作る〜
前回はみみずコンポストを始めたきっかけについて書いてます。みみずコンポストを始めて早半年間。みみずコンポストのDIYから収穫まで一通り経験しました。4回に分けてみみすコンポストについて紹介していきます。
みみずコンポストとは
自然界の循環サイクルを利用したみみずコンポストの仕組みはシンプルで、生ごみなどの有機物を微生物が分解し、それをみみずが食べ、腸の中で消化されたみみずの糞やおしっこが堆肥・液肥となります。この堆肥は"Golden Soil"(金の土)と呼ばれる、栄養豊富な肥料になります。
自然のしくみなので、生ごみなどのイヤなニオイはなく、森の匂い(土の匂い)がします。
そして、必要なものは、みみずのお家、みみず、そして生ごみのみ。
みみずのお家
さて、みみずコンポストにすると決めたら次は、みみずたちのお家をどうするか。
日本企業のミミズコンポスト👇
※光和商事(株)の金子みみずちゃんの家は家庭用生ごみ処理機ミミズコンポストとして全国607市町村で補助金対象機器になります。(2020年6月現在)
世界で一番売れているみみずコンポスト👇
おしゃれさを求めるならばこんなコンポストも👇
とは言え、どれも購入するとなれば、結構なお値段します(1万円越え)。しかもメキシコでは入手が難しい...なので、夫の得意のDIYを発揮してもらうことに。
キッチンに置きたいので室内にあってもおかしくないデザインのものを...と参考にしたのは、夫の父国でもあるオーストリアのwurmkisteという会社のデザイン。
スツールとしても使用できて、パッと見はみみずコンポストに見えない。
こんなにもおしゃれにはできないけど、構造のアイディアを頂きました(我が家ではスツールにはしませんでした)。
Wurmhotline: Starten der Wurmkiste - Erste Schritte, wichtige Hinweise und ernten kurz erklärt
<みみずコンポストの構造>
- 上の蓋を開けてその中にミミズがいるのでそこに生ごみを投入。
- 下に液肥となるミミズのおしっこを受け取るトレイが出し入れでき、ある程度ミミズの糞が貯まったらそれを取り出すために、メッシュバスケットを中に入れて、その中に生ごみを投入することで下から上にみみずたちは食べ物を求めて登っていき、数週間でみみずたちはバスケットに移り住み、下に残るのは、みみずの糞である堆肥のみ。
- 貯まった堆肥を取り出し、バスケットをひっくり返して、また下の方にみみずを戻す仕組み。
<みみずコンポストの作り方>
みみずのお家を作るにあたって、まずは最適な大きさの(液肥を受け取る)トレイとバスケットを探し、その大きさからお家の大きさを設計。
液肥と堆肥を分別するメッシュ(メッシュは生地屋で買ったメッシュ布を二重にして使用)👇
木箱に固定する👇
バスケットを入れた時に落ちないように4箇所に固定をつける。
バスケットを入れるとこんな感じ👇
正面から見ると...
ドリルでいくつか空気穴を開ければ、みみずのお家は出来上がり。
次回はみみずの入手方法について紹介します。
みみずコンポストのおすすめ書👇
<合わせて読みたい>
みみずコンポストのきっかけ 〜フードロスの問題〜
メキシコに来て以来、生ごみのコンポストは庭に穴を掘って、土に埋めるだけのシンプルなコンポストでした(キエーロと同じ仕組み)。
以前紹介したキエーロについて👇
土に埋めるコンポストは至ってシンプルで、
毎日の生ごみは冷凍庫に保存、
週に1回程度夫に大きな穴を庭に掘ってもらい、
冷凍庫に保管してあった1週間分の生ごみを解凍、
早く分解するようにミキサーで細かく砕き、
穴に埋めるだけ。
夏場は1週間程度、冬場では2〜3週間程度経つと微生物が生ごみを分解してくれて消えてなくなります(堆肥にはならない)。
たまにコンポストから芽が出てきたりの楽しみがあります。
せっかくホームガーデニング(家庭菜園)をしているので、生ごみが堆肥(肥料)になるような方法を取りたいなと思い、堆肥のできるコンポスト方式を調べてみる。バイブルのBeaのゼロ・ウェイスト・ホーム(本)によると、
その他に良質な堆肥を作ると言われる、みみずコンポストが選択肢に。
- 地上式コンポスターは暖かいメキシコではおそらく虫が湧くだろうと言うことと、そもそもメキシコではコンポスターが手に入らないと言うことで却下。
- EMバケツはEMぼかし購入の維持費がかかる&そもそもメキシコではぼかしが手に入らないと言うことで却下。
- みみずコンポスト。実は日本にいる頃から気になっていたコンポスト方式で、生ごみを食べたみみずの糞とおしっこが堆肥となる仕組み。
ただ虫が大の苦手なので、みみずも苦手...。これまでやりたくてもなかなか挑戦できませんでした。逆に夫は虫が平気な人なので、みみず担当は夫ということで、メキシコでも手に入りそうなみみずコンポストをすることにしました。
みみずコンポストについて書いていきます。その前に生ごみの問題について少し触れたいと思います。そして、各家庭で生ごみを処理することが必要で、それが気候変動・温暖化防止対策にもなるということについて。
フードロスの問題
日本の家庭ごみから出る4割が生ごみだと言われています。この生ごみはフードロス(食品ロース)とも言われ、調理くずや食べ残し、期限切れ食品・食材などをさします。
焼却大国の日本は(世界の焼却炉の9割以上が日本が占めています)、衛生的な観点から汚物法でごみはなるべく燃やすこととなっているそうです。
焼却炉では、ダイオキシンの発生を防ぐ為、800℃以上の高温での処理が取られています。高温処理を維持するために大量のエネルギーが浪費されています。
そして、その為には私たちの納めた巨額な税金が使われています。私も東京都の埋立処分場の見学会に参加するまでは知りませんでした...(見学会は無料で参加できるのでオススメです)。
それだけではありません。水分を多く含む生ごみ(70〜80%は水分)は、焼却処理をする際に更なる大量のエネルギーを必要とし、大量の二酸化炭素を発生させ、温暖化につながります。そのため全国の多くの市町村では、ごみ減量化運動の一環として、各家庭で生ごみを処理する機器・容器の補助金が支給されています(もしくは無料支給されています。私も日本にいた頃使用していたキエーロは区から無料で支給されました)。
海外ではごみのほとんどが埋立処理となります。生ごみ(有機物)が直接埋立処理されることで温室効果ガスであるメタンガスや二酸化炭素、アンモニアの発生してしまい、温暖化、気候変動の要因の1つとなっています。
意外と面倒くさそうな生ごみ処理も環境さえ整っていればそれほど手間ではありません。そして大人にも子供にも自然の循環の仕組みのいい勉強になります。
これを機に生ごみ処理を始めてみませんか?
次回から4回に分けてみみずコンポストについて紹介していきます。
私のバイブルのBea Johnsonのゼロ・ウェイスト・ホーム👇