ジャングルでの雨季

早いもので今年で3度目のジャングルでの雨季を迎えている。雨季は6月後半〜10月半ば前後まで。それ以外は乾季でほぼ雨が降ることがない。
ジャングルの雨季は結構厳しいものである。雨季はハリケーンシーズンでもあるから長期の停電もありうる。

熱帯での雨季は、日本の梅雨のように一日どんより雨模様ではなくて、晴天から突然1〜2時間のスコールが降ったり、一晩中雷を伴う大雨が降り、朝になると太陽が出てきて晴天であったり。雨が激しい分、温度差も激しく、雨が降ると一気に気温が下がり、太陽が出てくるとものすごく蒸し暑くなる。

そんなのだから私にとって一番厳しいのは、蚊の大量発生。この季節は暑くても長袖長ズボンでないと外出るのは厳しい。それ以外にも蠍、蟻、ビートル(コガネムシ)、シロアリなどの昆虫類も活発になる。蟻をはじめとする虫類が大の苦手の私にとっては最初はとてつもなく厳しかった。

その他にも昨日書いたように蛇も雨季になると活発になるように思える。

 

私のイメージだと、虫類は雨を喜び、外に出てくる。蠍、蛇や野ねずみは雨宿をするため私たち人間やチキンたち(チキンちゃんエリアには屋根があるため)の近くにやってくる。

 

 

蚊は、水が貯まるとこに卵を産み、暑さもあるので大量発生。これは日本とも変わらない。

蟻は種類によるが、大型の蟻は年に一度の大移動をするようで、雨期の始まり前後に家の中を一晩かけて通り抜けていく。夫曰く、これによって家にいる他の虫や蠍たちが食べられ、蟻たちは家の大掃除をしてくれているのだから良いことなのだとか。

Mayateと呼ばれるコガネムシ科の虫が夜、光を求めて窓に集まってくる。どこかの隙間からどうにか入ってくる子たちもいてたまに家の中でブーンと飛行している。その夜の飛行で彼らは一生を終えるようで翌朝は床に落ちて弱まっているか死んでしまっている(その子たちはチキンちゃんたちの最高のプロテインとなる)。

シロアリも夏になると活発になるように思える、シロアリは一年中いるのだろうけど夏になると家の壁に蟻道が目立ち始める。もしかすると彼らも雨宿に入ってくるのかもしれない。

蠍もそう、雨宿に排水溝を昇って家の中に入ってくるようだ。

蛇も雨宿りにチキンちゃんたちの屋根に入ってくるし、野ねずみも雨季になるとチキンちゃんの屋根上に巣を作って、そこに住み着く。

大家さんの方針で薬剤は使わないようにと言われているから、それぞれと共存するか、出ていってね、と促すかのどちらか。その時々で使い分けている。

 

 

雨季の厳しさはそれだけではない。

メキシコの中でも小さな漁師街なので、インフラが整備されていない。雨季での停電は日常茶飯事と言ってもいいほど。スコールが降ると大体の確率で停電になる。一瞬で戻ることもあれば、数分、数時間で戻ることもあるが、ハリケーンなどで何かが破壊されてきまうと数日間停電が続くこともある。実際に3年前に3日間停電が続いて、冷蔵庫、冷凍庫の中身をホテルの冷凍庫に一時保管させてもらったこともある。その教訓から去年は雨季が始まる前に発電機を購入した。

数時間の停電であれば冷蔵庫の中身は心配ないが、問題は暑さ。その経験から去年は充電式の扇風機も購入した。この扇風機は優れもので、電気コンセントはもちろん、ソーラーパネルも付いてきて、どちらでも充電することができ、その上フル充電で中くらいの強さ8時間以上運転することができる。この扇風機は雨季だけではなく、一年中暑いのでパンを販売しているマーケットに持って行って、大活躍してくれている。

扇風機と同じく必需品は電気(ライト)である。ロウソクも蓄えているが、長期戦になる時もあるので充電式のライトや懐中電灯をいくつか準備してある。

また、電圧が不安定になるので、ほとんどのコンセントに電圧レギュレーターを付けて、ネット回線を繋いでいるレギュレーターはバッテリー付きので停電しても1時間くらいはネットを使えるようにしてある。

 

我が家のある敷地内に入るために、まず雨季の川(激しい雨が降ったときにだけできる川)とその後、急坂を昇らないとならない為、最初の年は仕事帰りで大雨に降られてしまい、夫が3回ほど家に帰れなかったことがある。その教訓から去年は雨季が始まる前に車を四駆に買い替えた。

 

最初の年でいろんな経験をしたので、その翌年、そして今年は準備万端で、雨季のタフさは軽減したけど、世界一便利と言っても過言でない東京出身の私にとっては何もかもが未知の世界。

それでもここに住んで3年。今の暮らしは自然と正面に向き合って、本来の暮らしをしているように思える。多少タフでもこの暮らしがしっくりするようになった。